土田先生追悼文

土田先生追悼文

大正大学准教授 山本章博

一九九二年に入学した時、土田先生は学長最後の年でした。新入生としては学長が国文学科の先生であることが誇らしく、また神保町の一誠堂に先生のご著書『細川幽斎の研究』が並べられているのを見て、いつか自分もと憧れを抱いたことが鮮明に記憶に残っています。その後、先生の授業を受ける機会は残念ながらありませんでしたが、入学から一〇年余りを経た二〇〇三年に、第一回土田賞をいただくことになりました。高校の専任として勤めはじめて三年目、いよいよ多忙になっていった頃でした。その中でも研究を捨てなかったのは、土田賞の励みとプレッシャーがあったのは言うまでもありません。先生の御恩と「霞光音」のお言葉を胸に書き続けていきたいと思います。天の神のもと、これからも見守っていただき、叱咤激励をお願いいたします。