国文学会と大学院の近況(2020年8月)

国文学会と大学院の近況                 2020年8月21日

               国文学会会長・国文学専攻主任 瀬間正之

 新型コロナウィルス禍で、卒業式・入学式もなく、春学期は試行錯誤のオンライン授業となりました。未だに新入生とは対面しておりません。卒業生とは、卒業証書配布の日に、それぞれの研究室単位で、数分立ち話を交わしたのみです。もちろん、学部の謝恩会も、大学院の壮行会も中止でした。

 大学院は、前期課程に四名、後期課程に三名の新入生を迎えました。昨年は前期課程0名、後期課程1名のみでしたので、活性化が期待できますが、授業はすべてオンラインで、新歓コンパも、毎月の例会も中止です。唯一、Zoomで自己紹介を兼ねた研究の現況の発表会を行ったのみです。

 今のところ、学生はもちろん、教員も原則として自宅待機です。学生はかろうじてあらかじめ手続きをすれば、図書館に短時間入室し、図書を借りられるようにはなりました。大学院生も手続きをすれば、国文学研究室の利用ができるようになってはいます。教員の入校も正門で教職員証の提示が必要です。学科事務室も現在は原則水曜日のみの開室です。秋学期もオンライン授業となることが決定しました。

 本学会も三密を避け、夏季大会は中止せざるを得なくなりました。帰省自粛とGOTOキャンペーンの共存が象徴するように、政権は相変わらず、密会・密談・密約の三密を繰り返しているようです。このままでは、冬季大会の開催も危ぶまれます。この秋から多くの学会がZoom開催の方向で大会を計画しています。冬季大会もオンライン開催となるかも知れません。

 さて、明るい話題を一つ。昨夏は、国際シンポジウム「第二回 日語日文学研究の現在」を釜山大学で開催しました。第一回の二〇一四年は、釜山大学日語日文学科と上智大学国文学専攻主催、釜山大学日本研究所共催という形でしたが、昨年は共催に上智大学国文学会も加わりました。大学院を修了したばかりの若手研究者も発表に加えるための措置でした。八月二六日出発、二七日に両校の院生・若手研究者の発表と懇親会、二八日は『高麗大蔵経』の版木を残す世界遺産海印寺・慶北大学博物館などを見学、二九日帰国という慌ただしい日程でしたが、有意義な交流となりました。写真はシンポジウム会場と海印寺で撮ったものです。

シンポジウム会場にて
海印寺にて

 冬季大会でお会いできればと思いますが、どうなることでしょうか。