国文学科近況

長尾 直茂

 

 本年度は学科のスタッフで研究休暇に入る方もなく、久しぶりにフルメンバーの年となったので、ここで改めて学科の顔ぶれをご紹介しておく。教員スタッフは瀬間正之教授(上代文学)、本廣陽子准教授(中古文学)、西澤美仁教授(中世文学)、小林幸夫教授(近代文学)、豊島正之教授(国語学)、服部隆教授(同)、福井辰彦准教授(漢文学)、長尾(同)の8名。学科のRAとして大学院博士後期課程の中野遙さんに図書整理等の手伝いをお願いし、研究科のPDには岩澤克さんを任用して種々の仕事を依頼している。そして、学科全般の事務は、引き続き重村桃子さんにご担当を頂いている。

 国文学科では2016年度に新カリキュラムを導入して、その修学の効率性や達成度を検証すべく今後の対応を考慮中であるが、そのさなかに新たに来年度からの一部科目におけるクォーター制度導入、100分授業導入への対応等、またまた新しい制度について検討すべきことを大学より指示された。もはや立ち止まることは罪悪であるかのように、常に変わることを追い求めて歩き続ける、いや走り続けることが求められる。これは大学のみならず日本社会全体の一つの傾向なのかもしれない。よって、私たちは朝のラッシュアワーの東京駅でぼんやりと立ち尽くし考えていたいと思っても、それは許されない。ぼやぼやしていると後から突き倒されたり、面と向かって舌打ちされたりして不愉快な思いをせねばならない。それが嫌ならば、しかたなく人の流れにしたがって、押され揉まれながらホームへ向かって歩き続けるしかない。国文学という学問にとっては、ラッシュなど全く関係のない田舎の駅で、鳥の囀りを聞きながら、ホーム脇に咲いた野草の花を愛でて、いつ来るかわからぬ電車を待っている方がよいとはわかっていながらも、そうは出来ない。そのストレスがあって、絶えず息苦しい感じがしてならない。だからこそ国文学科では、皆で深呼吸をし、学生とともにゆっくりと歩むことを心がけている。

(国文学科長)